売掛金の時効。回収率、回収タイミングを改善する。

会社の売上は、お客様取引先へ商品・役務を販売して終了ではなく、代金を回収して初めて自社の利益となるものです。

「売上代金の回収までが商売」

現在、売掛金が未回収の取引先や、もうだいぶ経つから払ってくれないだろうな・・と、売掛金の回収ができていないことはございませんか?。

売掛金回収率100%という事業者は稀で、多かれ少なかれ、払ってくれないお客様や取引先があるのも事実です。

 

経理担当者は、請求書を発行してから入金になるまでの回収タイミングを毎日の作業からイメージとして、取引先にランクをつけていますね。

 

「〇〇社様は、もう入金してくださった」

「〇〇社様は、いつも期日前に入金がある」

「〇〇社様は、いつもキチンとされているのに今回は入金されていない、おかしいな」

「▲▲社様は、毎回、期日を守っていただけないな」

「▲▲社様は、口座振替、今月も2,000円さえも残高不足だなんて」

 

この感覚は、本来なら経営者はじめ営業担当個々にも、随時、共有すべき最新情報です。

 

たびたびお話していますが、

キャッシュフロー改善の基本は、「売掛金を1日でも早く回収して、買掛金は限度まで期間を後ろ倒しにすること」です。

万が一、「売掛金の回収不能」に陥ってしまい、まさかの全損とならないように、日頃から取引先の動向には注意する必要がございます。

 

では、自社の現状を見てみましょう。

 

売上債権回転率 = 売上高 ÷ 売上債権(売掛金)

 

売上債権回転率が高いほど、売上高に占める売上債権(売掛金)が低いことになり、売掛金の回収がスムーズに行われているということになります。

 

売上債権回転期間 = 売上債権(売掛金) / 売上高 ÷ 12ヶ月

 

売上債権回転期間を計算することができます。これは、売掛金を回収するのにかかる月数(日数)の目安になります。

取引先ごとに計算すれば、この回収期間が短いお客様が優良顧客といえますね。

 

(売掛金の時効)

売掛金には時効があります。時効の年数は、売掛金の種類によって決まっています。

・建築工事などの請負代金=3年

・製造業、卸売業、小売業の売掛代金=2年

・運送業ホテル等の宿泊代金、飲食代=1年

 

時効の前に、なんとしても回収しなくてはなりません。

 

それでは、売掛金の回収タイミングをあげる方法はあるの?。

 

1.請求書の支払期日を黒字のままにしていませんか。

赤で印字することで、先方の担当者に意識づけすることができます。

 

2.入金が遅れた取引先には、すぐに再請求する。

「行き違いの際には、ご容赦ください」の文言を書き添えて、期日遅れの先には再請求を即日に出しましょう。

 

3.遅れる先には、遅れる理由と支払日を確認する。

再請求を出しても期日に支払われない場合には、必ず相手と直接話せる電話にて、遅れる理由と支払日を聞き出し管理しましょう。

*聞き出した情報を元に、期日を経過した場合には、「弊社顧問弁護士が法的手段に入らせていただきます」等の文言を添えて、再々請求書を即日に出しましょう。

 

5.取引先ごとに「取引基本契約書」を交わしましょう。

すべての取引先と「取引基本契約書」を交わすことで、条文に「期限の利益の逸失」を記載し、未然に防ぐことができます。

 

6.弁護士に相談・依頼する。

弁護士に依頼する場合は、相応の費用がかかりますので、回収したい金額と弁護士費用を比較してどうするかを決めなければなりませんが、

法律に則って、「相手との交渉」「内容証明の送付」「調停・訴訟」「差押さえ」等の手段での回収を依頼します。

 

 

(まとめ)

「資金調達」や「節税対策」の前に、中小企業の経営者様が毎日なさるべきことは、経理担当者に任せきりにせず、自身で自社の経営状況を把握し細かな部分を見逃さないことです。

社内の管理ルールを見直し、社内の情報共有をしっかりすることで、売掛金の回収率・回収タイミングを改善していきましょう。

また、弊社では全国の弁護士事務所様との提携がございますので、お困りの際にはご相談ください。

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